[#KeepgoingTOGETHER] Vol. 54 / Sketch of cavity.

すぎやまたくや|アーティスト

オンライン配信準備に要した時間、人数、環境 

スタッフキャスト計7人
企画の立ち上げ構成のミーティングに一週間
脚本制作に10日
キャスティングに一週間
ロケハンに3日
撮影に三日
編集に三日
といった内容が全体に要した日数となります。
staffは制作一名、監督一名、録音一名、cast 4名の計7名です。
環境は外ロケが主でポスプロにスタジオで整音作業と編集作業といった内容となります。
ロケ地は海浜幕張を中心に撮影致しました。

オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点

企画から配信までの期間が短くタイトなスケジュールの中、作品強度の高いものにいかにするかがポイントとなりました。
そのため構成はミニマルでなおかつ効果的なものを必要としました。ここの発案に一番苦心致しました。今回は海外のニーズにも耐えられるよう無声で構成するところも大きなポイントとなりました。上記のポイントをまとめ企画、立案、脚本、制作そしてその内容に耐えられるロケ地の選定に注力致しました。内容も特殊なため個性的なcastを集めるためにキャスティング会議もなんども致しました。結果訳によるニュアンスの違いなどを生じさせることなくボーダレスな作品となったと思います。
 構図色彩が無声であるがゆえにポイントとなり4kでの撮影となりました。結果映像の尺が長くなりかつ4kでの撮影だったのでデータの書き出しアップロードに多くの時間がかかってしまった点も大きな課題でした。上記が今回の制作における難所です。

 

今後の活動におけるオンライン配信の活用や展開について

YouTubeという世界各国から手軽に視聴できる媒体を使い継続的に短編映像作品を定期的にアップしていこうと考えております。身近で日常的に視聴でき地域も限定的でない芸術視聴体験を新しい文化体系として構築できたらと思っております。今回のように無声作品でボーダレスに哲学的な問いができる作品を連作的に作成予定です。既存の短編映画などとは差別化し新しい表現の形を継続的に提案できればと思っております。
 またニーズが高まってきた段階で中長編の映像作品の制作も出来ればと思っております。作品の方向性が定まってきた段階で海外映画祭への出品等も視野に入れていこうと考えております。今回の制作チームを主メンバーとしチームの拡大も同時に進める予定です。

 

<プログラム>

Sketch of cavity.

  • 実施日:2020年6月14日
  • 内容:
    Sketch of cavity.についての覚書。
    究極的な、楕円の空間。
    私は彷徨する。
    …どこを。
    見知らぬ見慣れた風景を。
    都市の喧騒。都市の建造。都市の現象。
    雑多に、時に猥雑に。
    擦過=すれ違う。
    見知らぬ見慣れた人々に。
    擦過=通り過ぎては消えてゆく
    極彩色の、ランドスケェプ。
    風景は物言わぬ顔で現象を物語る。
    髪がなびいている。
    誰かの影も、揺れている。
    木々が揺れている。
    刹那。現象を認識。
    曰く。風が吹いている。
    上空。遭遇。Feel so good.
    流動する、入道雲。太陽の光線の屈折。
    …宮沢賢治が言っている。
    「すべてこれらの命題は
    心象や時間それ自身の性質として
    第四次延長のなかで主張されます。」
    穿たれた穴のように、空洞を介して。
    否。美しき空洞を介して、美は現前する。
    先行形式由来の美があるのではない。
    美しき空洞。
    まずはそれだけがここにあるのである。
    ジャックデリダの言葉を引いて締め括りたいと思う。
    「目は何かを見る為にあるのではなく、
    涙を流す為に、どうしても必要なものなのだ。」
    我々にとって、映像を取り扱うものにとって、デリダのこの発言は、
    大いに考察に値する示唆に富んだパロールであると思う。
    設問。
    「空洞を素描せよ」 Sketch of cavity.
  • 告知方法、使用した広報ツール:Instagram, Facebook, Twitter
  • 使用した配信ツール:YouTube
  • 視聴者の反応を得るために工夫した点:
    出演者のsnsによる広報活動及びinland dimensions festival ホームページにて広報、コメント機能使用
  • 視聴回数:218回(2020年7月2日時点)