[#KeepgoingTOGETHER] Vol. 40 / ダンス作品『直島劇場』配信

坂本公成|モノクローム・サーカス 主宰

オンライン配信を実施しての所感

配信した作品は“瀬戸内国際芸術祭2010”の開催拠点の直島で製作したサイト・スペシフィックなダンス作品という事で、ほとんど再演はあり得ない訳ですが、こういう配信事業の後押しを受けて配信するきっかけを与えて貰えた事は大変にありがたい機会だった。日本や欧州に暮らす皆さんがステイ・ホームな日々を暮らす中で、屋内も含め、屋外で伸び伸びとダンスする映像を配信する事は、不自由に暮らす人々の身体と精神の自由に少しは寄与できたのではないかと思う。KeepgoingTOGHETHER projectに深い感謝の念を表したいと思います。

 

©Monochrome Circus

 

オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点

「直島劇場」は製作時と発表時に専属のカメラマンを配置し、編集も全てプロフェッショナルの手で行なって貰っていた。その映像をVIMEOにアーカイヴしていたので、配信そのものは難しくは無かったが、周囲に周知して貰うのに時間がかかると思い、配信までの1週間かなり積極的に広報活動を行なった。具体的には、プロジェクトに参加していたダンサー・パフォーマーそしてスタッフが20名前後いるので、(居所の解らなくなっている者もいたが)それぞれにFBのメッセンジャーなどを通じて配信の事をお知らせし、告知に協力して貰うよう要請していった。またFacebook, TwitterやInstagramとメディアによって告知する時間帯を変えて配信の告知を行なってみた。配信開始以後も配信情報を流し続けた。

 

©Monochrome Circus

 

過去の実施事例と比較した、視聴者数やコメントなど反響の違い

これまで自身のアーカイブの「配信事業」はやった事が無かったが、WHOのパンデミック宣言が出されてから3つの配信事業を行なった。一つは京都のコンテンポラリー・ダンスの拠点となっているクラブを支援する為のキャンペーンに出品する形で行っていて有料なので比較の対象にならない。もう一つはパンデミックを題材に描いた作品『レミング』で、これは3月16日に公開したので2ヶ月半が経っているが、現在400名の視聴歴が残っている。『直島劇場』の方は公開6日の現在で235名だから前者に比べ驚異的なスピードで視聴して頂けた事になる。反応もダンサーや批評家、ダンス制作者、当時作品を観に直島に来た方からや建築をやっている方など幅広くコメントが寄せられた。また大学のオンライン授業でも教材として取り上げて貰った。

 

©Monochrome Circus

 

<プログラム>

ダンス作品『直島劇場』配信

  • 実施日:2020年5月26~6月2日
  • 内容
    瀬戸内国際芸術祭2010にて服部滋樹(graf)氏とコラボレーションして製作したサイト・スペシフィック・パフォーマンス。直島の本村地区を「劇場」と見立ててあらゆるところでダンスパフォーマンスが繰り広げられる。
  • 告知方法、使用した広報ツール
    Facebookを利用し、配信の1週間前から、映像配信の予告を行なった。Twitter、Instagramでも同様の告知を行なった。
  • 使用した配信ツール:Facebookを経由してVimeoにて配信。
  • 視聴者の反応を得るために工夫した点
    Monochrome Circus 現メンバーや、直島劇場出演者そしてスタッフで20名くらいに上るのでFacebookの情報をシェアして貰い拡散した。Twitterでも配信まで毎回異なるハッシュタグを付けて告知してみた。
  • 視聴者数:235名(6月1日時点)