制限を逆手に生まれた、美術展覧会の創意工夫

ハンブルクで長年にわたり日本の現代美術・アーティストを紹介してきたMIKIKO SATO ギャラリー。10月31日より開催された山本雄基氏の個展『PLACE OF HELLO』は、カタログ等平面の情報では体感することができない山本氏の作品を展示しました。円を基調とし、10から12のアクリル層から成り立つ立体的な作品から、ドイツの美術館やキュレーター、地元に住んでいる人に写真では伝わることのない山本氏の作品構造を体感してもらうとともに、日本の現代美術に関心を持ってもらうため、2018年から準備が進められてきました。山本氏の渡航は叶わなかったものの、スカイプを活用してアーティストがギャラリーに在廊する状態をオンライン上で実現し、ギャラリー来訪者とアーティストの直接対話の機会が設けられました。ギャラリーのオーナー佐藤幹子氏は、今回の個展を通してこれまでとは異なるギャラリーのあり方、展示方法の考案等、さまざまなことを経験することができたと振り返り、さらなる展覧会の企画へ意欲を見せています。

 

メインプログラム
日程：2020年10月31日～12月4日
会場：Mikiko Sato Gallery（ドイツ、ハンブルク）
アーティスト：山本雄基