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[Vol.190] [#KeepgoingTOGETHER] Vol. 53 山の手事情社『タイタス・アンドロニカス』

安田 雅弘

劇団 山の手事情社 主宰・演出家

1.オンライン配信を実施しての所感

配信した『タイタス・アンドロニカス』は2009年に当劇団が、欧州三大演劇祭の一つであるルーマニアのシビウ国際演劇祭に初めて招聘参加した際に上演した作品である(映像は2010年の東京公演のもの)。幸い当地で望外な好評をいただき、その後4年間当劇団が演劇祭に連続招聘されるきっかけとなった。今回の配信が全幕英語字幕つきだったこともあり、ルーマニアで活動している複数の俳優たちから反応があった。「絶対に見る」「仲間にも勧める」「また一緒に芝居を作りたい」といった連絡で、彼等との濃密なつながりを再確認する機会になった。また、この配信に対して、劇評家の野田学氏が「WEBマガジン シアターアーツ」誌に『タイタス・アンドロニカス』とコロナ禍を関連づけた内容の、大変機知にとんだ劇評を寄せてくださったのが興味深くありがたかった。
http://theatrearts.aict-iatc.jp/202006/6432/

 

2.オンライン配信準備で苦労した点・工夫した点

今回配信した映像は2010年に東京で上演したものである。その前年にシビウ国際演劇祭で同じ作品を上演したため、ルーマニア語字幕はあった。しかし今回の配信で海外に届ける上で、ぜひとも英語字幕をつけたいと考えた。そこで英語の字幕を添付する作業にとりかかったが、実際の上演ではシェイクスピアの原作を大幅にカットしている上に、場面やセリフの順番も前後しており、原作以外にもカミュの『カリギュラ』や、ハイナー・ミュラーの『解剖タイタス』といった作品から引用したセリフが挿入されていて、思っていたよりも作業にてこずってしまった。

 

3.今後のご活動におけるオンライン配信の活用や展開について

演劇は演者と観客が同じ空間にいることで成立し、観客どうしの関係も感動につながる。その想いは変わらない。とは言え観客との接点を維持するために、また新たな観客を獲得する上で、オンライン配信を活用したい。今まで当劇団で実施してきた配信は作品のダイジェスト版がメインで、全編配信は初めての試みであった。通常よりアクセスも多く、上記のように国内外から反応があったことはありがたい。こうした配信をお客さまの「劇場に行きたい」「生で見てみたい」という渇求につなげたい。そのためにも客席を限定した公演の実施と、リモート配信を並行して行なおうと考えている。

 

<配信プログラム>

劇団 山の手事情社『タイタス・アンドロニカス』(英語字幕付き)

  • 実施日:2020年6月10日~30日
  • 内容:《四畳半》という独自の演技スタイルで高い評価を受ける山の手事情社の代表作『タイタス・アンドロニカス』を全編英語字幕付きで配信した。
  • 告知方法、使用した広報ツール:劇団公式のウェブサイト、Facebook、Twitter、Instagram。劇団員が個人のSNS(Facebook、Twitter、Instagram)で発信。
  • 使用した配信ツール:YouTube
  • 視聴者の反応を得るために工夫した点:
    – YouTubeの説明欄に作品の概要を英語と日本語で並記した。
    – ハッシュタグ(#yamanotejijosha #KeepGoingTogether)を使用。
    – 視聴者が視聴後に情報を発信しやすいように公式SNSのURLを表示した。
  • 視聴者数(総合計):916回

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