| MTÜ (NGO) KAOS | 欧州文化首都タリン2011 |
「A Path in the Forest」作品イメージ
LIFT11は、タリン市内の日常の都市空間の中に美術作品や建築作品を展示し、その場所への新たな視点を提供することで、タリンの人々が慣れ親しんだ景観について、再考や発見を促すプロジェクトです。
長く続いたソ連の占領時代、森はエストニア人の反政府活動(レジスタンス)の拠点とされ、一般の市民が立ち入れない場所でした。今回、近藤哲雄氏が作品を設置したカドリオルグ公園は、そうした歴史を見つめてきた古い木々が根を張る、タリン市民にとって大切な場所のひとつです。
そしてもう一人の日本人建築家、ハヤシトモミ氏は、港湾に面したソ連時代の建築物リンナ・ハルの屋根に、海に向かって張り出すようなプラットフォームを制作しました。
海岸はソ連に軍事機密と指定され、当時、市民は近づくことを禁じられていました。タリンの海岸からは、静かな海の対岸に自由の国フィンランドを目にすることができます。国外への逃亡を試みる市民もおり、海岸に立ち入る者は、ソ連兵に射殺されました。
今回の日本人建築家2名による作品は、長い間タブーとされ、市民にとって今なおトラウマとなっている森や海岸を、日常の一部として捉え直す機会ともなりました。
1975年愛媛県生まれ。1999‐2006年妹島和世建築設計事務所勤務。2006年近藤哲雄建築設計事務所設立。主な作品ににわのある家(2007年)、するところ(2009年)、Cloudscapes(2010年)、A Path in The Forest(2011年)など。東京建築士会住宅建築賞(2008年)、AR House Award 優秀賞(2011年)受賞。現在、名古屋工業大学、日本女子大学、多摩美術大学非常勤講師。
建築家。1971年富山県生まれ。エストニア在住。タリンを拠点に設計活動を営んでいる。
1994年横浜国立大学工学部建築学科卒業後渡米、1999年ヴァージニア工科大学大学院建築 学修士課程修了。ニューヨークのラファエル・ヴィニョーリ事務所勤務を経て、2001年エストニアに渡り、タリンにてHead Arhitektid 設立。2004年より現在のパートナーシップに参加、HGA (Hayashi-Grossschmidt Arhitektuur) として共同主宰。